アロステリック酵素とは,基質あるいはそれ以外の分子の結合により活性が制御される酵素である。このような性質を持つ蛋白質は自然界では頻繁に見受けられるが,人工的にこれを作るのはそれほど容易ではないとされてきた。我々は,円順列変異を施した酵素を抗体の二つの抗原結合ドメインVH/VLで挟んだような蛋白質Fv-cpBLAが,コファクターである抗原の添加に従い酵素活性(比活性)を顕著に向上させることを見出した。さらに,この蛋白質を発現する大腸菌の増殖を,抗原である農薬で制御し,より応答性の高いFv-cpBLAを選択することにも成功した。現在,この技術を生体内外の様々なターゲットの高感度検出に応用できないか,検討している。また,JSTによる国内・欧州特許も成立しており,現在幅広く共同研究,開発者を募集している。



Reference


M. Kojima*, H. Iwai*, J. Dong, S.-L. Lim, S. Ito, K. Okumura, M. Ihara and H. Ueda Bioconj. Chem. 22, 633-641 (2011). [DOI][Abstract] * equal contributions

特許 第5137266号「抗原濃度測定法」, EP-2177611 “ Method for measurement of concentration of antigen”

FvcpBLA