ホタルの発光酵素ルシフェラーゼはルシフェリンとATPという二種類の基質を用いて発光反応を行う。この反応過程は,大きくルシフェリンのアデニル化反応とアデニル化ルシフェリンを用いた酸化的発光反応に分けることができる。ホタルルシフェラーゼはAcyl-adenylate形成酵素スーパーファミリーの他の酵素同様N末とC末の二つのドメインからなり,両者が協同して発光反応を行うとされてきた。

 我々はN末ドメインだけでも弱いながら二つの基質を用いた発光活性があることを見出し,さらにこのN末ドメインを用いて反応中間体であるアデニル化ルシフェリンのみを高感度に検出できることを見出した.これにより,これまで難しかった各種変異体の反応液中のアデニル化ルシフェリンの高感度濃度測定が可能になった。現在,この系を用いて未だ明らかではない反応機構の詳細の解明を目指すとともに,反応機構に基づく新規蛋白質相互作用検出系FlimPIA(別項)の構築を行っている。

References

1) T. Zako et.al. (2003)
Biochim. Biophys. Acta 1649, 183-189.
2) K. Ayabe et.al. (2005)
FEBS Lett.. 579, 4389-4394.

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